無名

自分には出会うと具合が悪くなる人がいる。あの人は自分に優しく接する。あの人自身はせがむのに、見返りは全く無い。あの人は大切な人の気持ちを踏み躙り笑って欲望の為に他人名義で金を借り使う。自分の大切な人はどれだけ苦しんだのだろう。どれだけ悲しんだのだろう。一向に止まることのない悪癖はいつまで続くのか。憎くてたまらないはずなのに、どこか憎みきれていないところがある。それが悔しくてたまらない。